4月26日〜5月26日
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★4月26日
今朝はなにごともなく、デイサービスへと和ちゃんは出発した。一日の始まりが穏やかだとオレの心も穏やかでいられる。
ところで、昨晩はなにやらトッテモ蒸し暑く、和ちゃんはが寝汗をかいていたため2度もシャツを替えた。この時期の調整は微妙に難しい。
で、昨日、福祉事務所から“在宅寝たきり高齢者介護者慰労金支給決定通知書”なるものが届いた。ぶっちゃけた話、“介護者慰労金”だ。
平成14年度分として40000円。
受給者からは40000円“しか”と40000円“も”の二つの声があるとか?
オレはといえば、判断しかねるなあ。もっとも、オレにとって40000円はありがたいけどね。

★4月27日
いよいよ変則大型連休の始まり。とはいえ、全くオレには関係ないけれど。
さて昨日、オレが6月中旬に出版する本(背番号13の青春期)のカバーデザイン、つまり表紙ができあがってきた。本の内容をシッカリ捉えたイラストで、オレはホクホク。内容は、オレが甲子園出場するまでの美しくも哀しい、爆笑実話小説。
今、ノンフィクションの次のターゲットを模索中だけれど、介護かいごのど真ん中でも夢は見続けたい。
さて、これから和ちゃんとコープに買い物に行こう。和ちゃんは今日も元気イッパイ。今日・明日、オレと和ちゃんは四六時中、一緒だ。

ps
午前11時。コープで一束の花を買ってきた。一束が280円。これから一緒に花を生けるのだけれど、和ちゃんは喜んでいる。今日の天気のように、オレも和ちゃんも長閑で穏やかだ。

★4月28日
今日、約2ヶ月ぶりにオレ自身が和ちゃんを風呂に入れた。
いつも通りにプラッツに買い物に出、帰宅したのが11時前。一昨夜、寝汗をかいていたことと、なにやらとても暖かいので和ちゃんを昼食前に入浴(洗髪はなし)させることにした。和ちゃんは嫌がらない。
風呂場に入る直前に段差があるのだけれど、注意していたにもかかわらず和ちゃんはスッテン。左膝を少々打ったみたいだけれど、少し皮がむけているだけ。明日になったら青アザになっているかも? でも和ちゃんは大丈夫。今日はイケイケの様子。
風呂に入って下を洗い湯船に浸かる。そして身体を洗いはじめて背中から尻、そして太股と洗っていくと、なんか脚が太くなっている感じ。お腹周りの肉も以前よりフックラしている。
しかし、寒さから風邪に注意しないで入浴させらるのは気持ちに余裕が持てる。焦る必要がなく、ノンビリとオレも構えてリラックス。
で、入浴後、和ちゃんの体重を計るとパンツ一枚で42キロ。年始の頃計った時は、上下にジャージを着て40キロだったから3キロ近く太ったことになる。
なんか、今日は穏やかな一日になりそうだ。

★4月29日
和ちゃんは今日、デイサービス・ゆう倶楽部長浜へ。お迎え時、鹿村さんに手をとられて車へ。車の中から一人のお年寄りが手を振って迎えてくれていた。お友達なのだろうか? 和ちゃんはシッカリ馴染んでいるようだ。デイサービスに通い始めた当時、協調性等々、心配していたのだけれど杞憂だったようだ。ありがたい。
オレは今日、和ちゃんが帰宅するまでゆっくりしよう。風呂にも入ろう。オレはこの半月、二日に一回は入浴している。もう、身体に痒みはない。

★4月30日
今日オレは、市民病院に高血圧症と自律神経失調症の薬をもらいに行ってきた。大型連休最中ということなのか? 外来患者さんはすくなめ。普段だったら1時間は最低でも待たないといけないのに、20分で呼ばれた。皆、遊びに行ってるのかなあ?
ところで昨日、入れ歯を磨こうとしたら和ちゃんが神妙に語りかけてきた。
「いつもすまんなあ。せえでもあと少しじゃから」
「そりぁあ、あと少しで死ぬゆうことか?」
「うん」
「そしたら、その少しゆうなあ何年なら?」
「せえでも10年は生きるかなあ?」
こういう時、アルツハイマーを在宅介護している他大勢の人たちは、どういう反応をするのだろう?

★5月1日
5月1日。月日は高速で進んでいる。なんかなあ! でも、炬燵はまだ手放せない。
昨夜は久々、本当に久々に本を熟読した。300ページを読んだ。そして付箋を挟んだ箇所を引用。

息子を猫かわいがりにする母親。子供に試練を与えようとしない。精神的な無菌室で育てられたようなものだから。だから、最近の若者は、精神的におそろしく打たれ弱い。


これから益々顕著になる高齢社会。どうなるのでしょうかねえ日本?

★5月2日
今日は久しぶりにデイサービス・和みのときを訪ねてきた。
JR吉備線に乗って、備中高松駅で降りる。大鳥居を目指して行けば分かりやすい。ノンビリテクテク約10分程度歩けば着いてしまう。
オレが着いたとき、和ちゃんは昼食を済ませた直後のようで、昼食を載せるお盆を拭いていた。身体を動かしとても楽しそうで、アルツハイマー病を緩和させるには最高の場面設定に見えた。
オレは和ちゃんのそんな姿を見て、オレの人生の全てとは言わないけれど、ソコソコは犠牲にしてもいいと心底から思った。
オレは和ちゃんが好きなのだ。
しかし、デイサービス・和みのときを利用するのも長くてあと数ヶ月だと思う。段々に利用者も増えてきており、岡山市の端から端まで送迎してもらっている今の状態を継続するのは無理になる。オレも残念だけれど、利用者が増えてくれることはオレも嬉しい。
ベストだとは思わない。とはいえ、常に試行錯誤し、より良くしようという姿勢を持ち続けているデイサービス・和みのときのオレはファンなのだから。
確かに、“和みのとき”という時空が流れているようにも錯覚させられるデイサービスだ。ちょっと誉めすぎか?
でも、ファンというのはそういうものだろう。
和ちゃんはといえば、今、五円玉がいくつあるか一生懸命に数えている。

★5月3日
午前8時32分。今さっき、和ちゃんはデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと出発していった。昨夜はやはり、想像していたとおりに午後7時前にはイビキが聞こえてきていた。
さて今朝、和ちゃんがオレを呼ぶ。
「ちょっとちょっと」
「どしたんなら?」
「こんなん太さで、もう止まらんかと思うような長さのウンコが出たが! ビックリじゃなあ」
太さは、和ちゃんの表現では肛門が引き裂かれるほどの物体だったらしい?
確かに3日間出てなかったので、ヨーグルト類を多めに飲み・食べさせていた。思惑通り。
「あんまり大きいのを落として家を壊すなよ」
「せえでも、ウンコ落としたとき揺れんかったよ」
真顔で応える和ちゃんが可愛い。
さてと、風呂掃除でもするか。

★5月4日
昨日、和ちゃんを送り出した後、あまりにも空が青く澄み切っているのでオレは久々に岡山南高野球部の練習を見に行ってきた。もっとも、オレは岡山東商野球部OBだけれど、南高にはオレと高校時代にポジション争いをした古市がいるので高校野球を体感したいときは南高に出向く。古市は南高野球部の監督。
しかし、午前中に寄ったのだけれど、軒下にいても紫外線がビシバシと突き刺してくるのが分かる。2時間いたけれど、見学しているだけで疲れた。介護疲れとは違う、また別のモノだ。
ときにはいい。自分の置かれている世界と別の世界を覗くのは。特に、介護者などには。
帰路、クレド辺りをウロウロ。もうノースリーブの姉ちゃんもいる。イイナイイナ。オレの性欲は欲情する。まだ若い。オレの茶髪を友人たちはケケッ!! とか笑っているけど、中年不良はとってもいいのですよ。和ちゃんだって、
「あんた、その頭、可愛いなあ!」
の世界なのだから。
でもなあ、時間制限内で不良するのは難しい。

★5月5日
ナンダカンダでゴールデンウィークも最終日か。それらしい雰囲気は我が家では100パーセントなかったな。
ところで昨日、和ちゃんを入浴させた。プラッツを往復したら汗をかいており、突発的に入浴させることにした。しかし暑かった。今年の夏はどうなるのだろう? オレはTシャツをまとめて洗った。
で、和ちゃんを入浴させたのだけれど、オレの指示通りに身体が動く。どうしたんだろう? ただ、下腹部周辺に肉が付着状態。痩せるよりはいいか?
そろそろ、和ちゃんの夏物ポロシャツなどを見つけに行かないと。サイズは150センチ。子供用。

★5月6日
昨日は本当に暑かった。やはりプラッツを往復すると一汗かいてしまう。帰宅するとシャツを着替えさせるようになった。
で、昨日はプラッツ内にある服屋で和ちゃんのTシャツ2枚を買った。一度洗ってから着せようと洗い出したのはよかったのだけれど、結局冬物なども洗ってしまおうと考え、オレしか扱えない洗濯機に踏ん張ってもらい3回洗った。本来なら2回で済むのだけれど、洗濯機もまだらボケ状態。オレの苦労も耐えない。
さて、現在時は午前7時53分。和ちゃんがシッカリ今朝もウンコを放出してトイレからスッキリ笑顔で出てきた。今日も一日が始まる。

★5月7日
最近、和ちゃんと頻繁にキャッチボールをする。距離は約3メートル。軟式テニスボールを使って。和ちゃんはとても楽しそうに・嬉しそうにボールを投げキャッチする。オレは叫ぶ。
「ナイスボール」
「ナイスキャッチ」
デイサービスの延長のようなことをやっている。
この3メートルというのは、和ちゃんの万年床からオレのパソコンを置いてある距離。しかし、和ちゃんの万年床の隣にはオレの万年床もある。この部屋をもしホームヘルパーさんが見たら、どう思うのだろう? 雨漏りもするから、傘も吊してある。これはもちろん、雨漏り用の工夫をちゃんとしてある。今度、日記に写真を添付しようかな?
 キャー!! 恥ずかしい。
でも、オレは生きている。和ちゃんが生きている。オレはそこそこやりたいことはやってきた。和ちゃんは、和ちゃんなりに悩みを抱えているみたいだけれど、今、オレといると楽しそうだし金銭だけでは授かれない何か? があるような気がしてならない。
確かに、和ちゃんと常時一緒にいることで犠牲感は持ち合わせている。でもなあ、和ちゃんがアルツハイマーになってくれた“おかげ”で、オレに『愛おしい』という感情が生まれて初めて芽生えたのも事実。
きれいごとに聞こえるかもしれない。それはそれでいい。でも、オレ自身がそう体感していることは、オレ自身が一番、理解しているのだから。
和ちゃん、サンキュー。

★5月8日
今朝は強雨。そんな最中大忙しの中で一日が始まった。
我が家のトイレは水洗ではない。言うところの、汲み取り。で、汲み取り業者さんが8時過ぎにやってきた。そうなのだ。もう一年ほどもお願いせず放置したままだった。気を利かせて、来てくれたのだ。
なにやら最近暑いので、蠅も飛んでいる。ちょうど良かったのだけれど、和ちゃんがデイサービスに行く頃と重なった。オレはアッチもコッチもやってられない。和ちゃんはオシッコしたいと言うけれど、汲み取り作業中には問題あり。
「アホウ。我慢しとけ」
お迎えの谷口さんには、
「スミマセン。ちょっと待ってください」
そして業者さんとも意志疎通を図っとかないとお願いしたいときに融通が利かなくなる。
まあ、そうこうしているうちに、和ちゃんはいつのまにやら出発していた。
さて昨日、和ちゃんとオレはプラッツに買い物に行った。途中、西大寺観音院でデジカメで和ちゃんを撮る。調子は上々だった。
帰宅して昼食の冷やしそばを食べようと準備を始めた頃、和ちゃんがシブイ顔をしてトイレから出てきた。
「あのなあ、パンツにウンコが付いとんじゃけど、どうする?」
どうする? と問われても替えるしかない。そうなのだけれど、パンツを見ると確かにかなり付着している。でも、これは、朝ウンコを放出したときに拭き忘れているのではないか? と疑念を感じさせられる付着状態。とはいえ、これから昼食にしようかというときに。
とりあえず替えることは替えたけえど、オレは怒った。ウンコがパンツに付着したりウンコの処理をするのは仕方がない。オレの役割だ。でもなあ、なんでウンコを触ろうとするかなあ?
「このクソアホウ! アホウがクソをいらうからクソアホウ言うんじゃ」
てな大声を上げてしまっているオレ。オレもクソアホウだなあホント。
10時になったら、デイサービスに電話してみよう。和ちゃんへのご機嫌伺い。ヤレヤレ。

★5月9日
予定通りオレは和ちゃんにご機嫌伺いをした。デイサービス出発前に何事もなかったかのように電話で応える和ちゃん。その和ちゃんはといえば、オレの直ぐ側で爆睡している。実は今、8日の午後9時半なのだ。あまりにも寝顔が可愛く、オレは読書を割いてパソコンに向かっている。突発的に書きたくなったのだ。
正しい日記からは逸脱しているけれど、これがオレ流の日記。
で、今日午後4時半頃、オレは和ちゃんが帰宅するのを家の中から窓越しに伺っていた。オレは和ちゃんが、デイサービス・ゆう倶楽部長浜の小型車で帰ってくる姿を見るのが好きで、運転席の隣にチョコっと乗っかっている光景がなんともいえない。
家の前に車が到着。オレは直ぐに迎えに出る。和ちゃんはオレを見つけると、いつも嬉しそうに笑顔を授けてくれる。そして今日は、オレにカーネーション2本を差し出す。
「今日は母の日じゃて」
送って来てくれた谷口さんが笑っている。カーネーションは紙でできた和ちゃんの手作り。デイサービス・ゆう倶楽部長浜で作ったたくさんのモノが家のあちこちに飾ってある。不思議なもので、オレにとってどうでもいいモノなのだけれど、さらには質素な素材なモノなのだけれど捨てられない。和ちゃんが、オレが小学生のときに100点を取ったテストを今でも仕舞い込んでいるように? もっとも、和ちゃんは仕舞い込んでいる現実を忘れてしまっているけれど。
今晩から明日の朝方にかけて寒いとの気象情報。和ちゃんにはパッチを履かせ、久々に炬燵に電気を入れそこに潜らせている。もちろん、窮屈感がないようにしているので和ちゃんは爆睡中。
しかし、なんでこんなに爆睡できるのだろう? 昨夜の雷でも起きなかったし。オレにとっては、ありがたいばかりだけれどネッ。
そういえば、夕方のテレビ番組でピアノバーの矢野さんが歌っていた。以前、オレはこのピアノバーに時々飲みに行っていた。
夜、飲みに行く。
オレには死語になってしまった。

★5月10日
今朝、和ちゃんは二日ぶりにウンコを2発放ち、元気良くデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと出発。昨日の朝と今朝は少々冷えたけど、振り返ってみると和ちゃんはこの冬〜春にかけて風邪をひくこともなかった。暖房器具といえば炬燵だけなのに、和ちゃんの身体はけっこう頑健なのかもしれない。
ところで昨日、オレは久々にいろんな人たちを訪ね歩いた。すると、市役所の課長補佐さんは課長に昇進しており、先輩の息子さんは近々、プロのバンドとしてデビューするという。世間は動いている。
そんなこんなで動き回っているどさくさの中、来週火曜の夕方、和ちゃんとボーリングに行くことに決まり、蜂谷師匠に写真を撮ってもらうことになった。この写真はHPで公開できるはず。ただし、今のところ和ちゃんには内緒。突発的に連れて行かないと嫌がるからだ。
まあ。オレたちはオレたちの世界で動いているということかな?

★5月11日
今日は雨か。和ちゃんと一緒に買い物へ行けるかな?
さて昨夜、オレはデイサービスにおける園外活動について検証したく、雲母書房から出版されている『あなたが始めるデイサービス』を読破した。
園外活動というのは簡単に言ってしまえば、花見とか海に山に出掛ける等々の活動というかレクリエーションと表現してもいいと思う。これは、アルツハイマーなどを緩和させるにはとてもいいとオレは確信している。これを行いたいデイサービスは多い。
ところが、園外活動を行おうとすると地方振興局に一ヶ月前に申請し許可をもらわないとダメなのですね。オレは何回か岡山地方振興局に足を運んだが、担当がいない等々で詳細(なぜ一ヶ月前に申請が必要なのか?)を知ることはできなかった。
まあ、それはそれで再度行く予定だけれど、本を読んでいて実に納得させられる箇所があった。それは以下の文面。

重度といわれる利用者に「その人らしく」生活していただくための場所、そして、介護で疲れきっている家族にとっての休息の場を提供していくのも私たちのできることであり、それがデイサービスという場所なのである。
ただこれだけは付け加えておこう。それは、「重度はとっても遠くは取らない」ということだ。遠くまで集客の範囲を広げ、送迎を行うと、とたんに経営は傾いてくるからである。繰り返すが、マーケットは五キロメートル四方の中にあるのだ。


オレは、心情的にちょっと困った。

★5月12日
今日は林病院まで一ヶ月に一度の定期検診? に行ってきた。まあ、これも一種のレクリエーション。林先生は普段通りとても優しく接してくれ、その後、サルピスに寄り雑談。これもレクリエーション。皆が理解してくれているので和ちゃんの周囲は長閑だ。ありがたい。
次の定期検診で、アルツハイマー宣告後一年が経過するので、脳のCT写真を撮ってもらうことに。少しは脳が縮んでしまっただろうか?

★5月13日
昨日からYahoo! BBのお試し期間に入った。確かに接続してから速い。軽い。ただ、デオデオのサーバーは使用できないみたいで、HPへのアップができないみたいだ。
今は、セットアップしなおしてデオデオに繋いでいるのだかれど、これがめんどくさい。で、日記は書き続けるけど、HPへのアップは一週間後あたりにまとめてしようと思う。では。

★5月14日
今日は一日中、雨ということで和ちゃんと一緒に買い物には行けない。で、昨日のデイサービス・和みのときからの連絡事項には、和ちゃんは“水虫”とのこと。オレもジュルジュルではないけれど水虫なので、これから一緒に治療しよう。
さて、昨日は和ちゃんにとって初体験が二つあった。
まず一つ目は、プリクラ写真を撮ったこと。これはデイサービス・和みのときの料治さんが一緒に撮ってくれていた。良くしてもらって本当にありがたい。この写真は連絡帳に貼った。
二つ目の初体験。ボーリングに挑戦した。両手でボールを持ってゴロゴロ転がしただけだけど、楽しそうだった。和ちゃんは結構、なんでも嬉しそうにやる。女子プロボーラーの成瀬さんにも優しくしてもらったし。この時の写真は近々にHPにアップしよう。蜂谷師匠、入魂の写真なのだから。
そして、昨夜睡眠に入ったのは午後9時半。今朝4時にトイレへ立つまで爆睡だった。
今、午前8時。和ちゃんにお疲れの様子はない。

★5月15日
午前8時45分。カフェラテを飲みながらパソコンに向かっている。沖縄方面では梅雨入りしたとか。ここ西大寺でもうっとうしい日々が続いている。
和ちゃんは今朝も元気良くデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと出陣。最近は行く前に、
「ハーア」
とか溜め息をつかなくなった。確かに、デイサービスに通うようになって9ヶ月目だもんな。
オレはといえば、ちょっとお疲れ。
日曜日は丸々、和ちゃんと一緒。
月曜日は林病院へ付き添い。
火曜日はデイサービスには出掛けたけど、夕方から和ちゃんとボーリング。
水曜日も丸々、和ちゃんと一緒。
和ちゃんといると楽しい。オレは和ちゃんが好きだから。でもなあ、和ちゃんを外へ連れ出すという行為は精神面でスコブル疲れる。トイレは男子トイレで用を足さなければならず、少しの段差でもけっこう転ぶし。
それでも、和ちゃんと一緒にボーリングに行ったときの写真が楽しみだ。可愛く撮ってもらえてるかな?

★5月16日
昨日、HP上で和ちゃんの写真を撮ってもらっている蜂谷師匠の奥様より“肉じゃが”を頂いた。オレが毎晩コンビニ弁当で済ませていることを蜂谷師匠から聞き、“オレと和ちゃんに”と師匠にあずけてくれたのだ。
美味かった。オレにとっては少々甘みが強いかな? という印象だけど、奥様(美保リン)の心が本当に嬉しかった。オレのような環境下に置かれている人間にとって、人の情けには感極まることが度々。感謝という言葉がシミジミ理解も納得もできる。美保リン、ありがとうございました。和ちゃんもシッカリ半分、美味しいと言いながら食べた。
さて昨日、東京の出版社の編集をしている人からメールが入っていた。保健関係を主にしている出版社だけれど、オレのHPに関心があるとのこと。ありがたいことです。
和ちゃん。今、デイサービス出陣前。髪の整髪に一生懸命だ。アルツハイマーというのは、集中力に関しては上昇するのだろうか?

★5月17日
今朝も元気にデイサービス・ゆう倶楽部長浜にご出陣。『今朝も元気に』と記せる日々がありがたい。もっとも、和ちゃんの記憶回路の複雑怪奇なところだけれど、
「明日、明後日は休みじゃな」
と、出陣前になにやら嬉しそうにオレに問いかけてきた。日曜、月曜はデイサービスの予定日ではない。オレにとってはこの二日間を“楽しく”乗り切ることが難関なのだけれどネッ。
今朝も早々、和ちゃんがトイレから出てきてニヤニヤしていた。
「出たんか?」
「こんなんがな」
と親指を立てて笑っている。
「直ぐ手を洗ええ」
「OK!!」
いつまでも、こんなコミュニケーションがとれることを願う。
オレはといえば、午後1時に20歳の娘と会うことになっている。HPにもアップしている『女子マネージャー物語』をなんとか形にしたく、その本人と久々に会うのだ。
ところで昨夜、発作的に脳裏に浮かんだのだけれど、今度、和ちゃんと一緒にジャズバーにでも行ってみようかな? と。いろいろ連れ回しているのだけれど、どんな反応か興味もあるし。オレと一緒ならどこにでも行くからなあ!
 カリスマアルツハイマーというのがいてもいいのでは?

★5月18日
ドヒャーンと疲れた。
今日は町内での草取りとドブ掃除。今回はドブ掃除を徹底的にすることに決まり、オレはジョウレンとスコップでドブの汚泥をさらい、その汚泥を片づけるという作業を午前中2時間半没頭し、バテバテ。この間、和ちゃんを一人きりにしていたので一回だけ家にかえり覗いた。肉体も使い、神経も使い、ああーー疲れた。
ところで、ドブ掃除から帰宅し一服していると、和ちゃんが面白い行動をする。テレビでは、天皇皇后両陛下による植樹祭が放映されていて、天皇皇后両陛下の背景には報道陣多数が陣取り、カメラも見える。すると和ちゃんが、
「アッ!!」
と言って、身体をテレビ画面正面から逃げた。そして真顔で言う。
「私まで映るが」
オレは腹の底から笑った。
さて昨晩、HPのトップに和ちゃんがボーリングする写真をアップした。素直に、オレはとてもいい写真だと思う。蜂谷師匠、ありがとう。br>
★5月19日
5月17日。デイサービス・ゆう倶楽部長浜の連絡帳から。
「今日もいつもの3人組で楽しくお話をされていましたが、やはり少し的はずれな言動もあり野田さんは時々気が付かれ、苦笑いされていました」
的はずれはアルツハイマー病宣告時からだけど、これはいたしかない。昨晩は16+16も回答が出なくなっているし、段々に病状も進行しているのだろう。学習能力低下は端から諦めている。とにかく、HPにアップしたような和ちゃんの笑顔があればそれでいい。情緒的安定をまず一番に心掛けたい。和ちゃんが楽しければそれでいい。何が楽しいのかは、オレにもまだ良く分からないのだけれど、オレと一緒にいれば楽しそうだ。
さて今日の午後、支援センターから長谷川さんが来る。和ちゃんの様子を把握するためだけれど、今日、掃除するのはヤーメタ。

★5月20日
昨日、和ちゃんを担当するケアマネジャーである操山在宅介護支援センターの長谷川さんが我が家を訪ねてくれた。和ちゃんに事前に知らせておくと少し落ち着きがなくなるので、こういう場合はいつも来訪者が到着してから何も言わないで本人に和ちゃんを会わせる。悩む猶予を与えないのだ。今のところ、これが功を奏している。
で、長谷川さんはHPを見てから来たらしく、
「写真、ラブラブじゃないですか」
とのこと。
ラブが“恋”ではなく、“愛”なら正解かもしれない。親子愛。でも本当に、和ちゃんの表情がいい。そして、オレの腕をしっかり掴んでいる。もっとも、こんな瞬間はなかなかあるものではないのだけれど、和ちゃんがアルツハイマーを宣告され母子の絆が強くなったことは確かだ。
さて、長谷川さんが『コープのからだにおいしいレシピ100』というお料理ブックを授けてくれた。付箋も多く貼ってあり、それはお勧め料理らしいのだが、レシピということだから料理を作らなければならない。オレは作ることはできる。一般の男性より包丁は使えると思う。なんせ、山芋の千切りがオレの得意種目なのだから。
といって、味付けしたり等々、作るのはやはりめんどくさい。だから、めんどくさいと伝えた。ただし、こういう気配りをしてくれる長谷川さんには、感謝の気持ちを素直に伝えた。わざわざ付箋など打って、栄養に気配りしてくれる人などなかなかいない。長谷川さんのお勧めは、『ブロッコリーとささ身の煮もの』だった。
そして和ちゃんは、外に出て長谷川さんが車で帰っていくのを手を振りながら見送った。見送りながら一言。
「可愛いひとじゃが」
そう。長谷川さんは美人です。

★5月21日
今朝の朝刊を見て驚いた。もちろん高校野球だが、甲子園のベンチ入りが今の16人から18人へと一挙に二人増枠されることになった。
オレが来月下旬に出版する“背番号13青春録”は、ベンチ入りが14人の時代。当時と比較すると4人増えることになり、もしオレの時代に18人枠であればオレはこんな本を書くこともなかったはずだ。オレは14人の枠に入れず春の選抜はアルプススタンドから同輩の甲子園出場を嫉妬し妬んだ。そういうことを書き記したかった。で、踏ん張って、夏にはなんとか背番号13を背負って甲子園出場した。
一見、介護とは無関係なことを書いているようだけれど、嫉妬、妬み嫉み、そして自己嫌悪。オレの生活歴というのは介護力の力量を量れるはずだ。オレは人間としての器は小さい。小さい人間でも、踏ん張るときは踏ん張らざるえない。介護は、親がいれば誰にでも、直接・間接的に関わらざるえないはずだ。
オレは高校時代、オレ自身の醜さを十二分に知った。
さて昨日、広島の叔母から宅配が届いた。叔母は親父の姉。
忘れていた。5月22日は親父の命日で、お供えを送ってきたのだ。叔母に電話を入れた。78歳。耳が遠くなり、目が霞むと言い、熱心なプロテスタントなので教会の友人が助けてくれると言う。一人で外に出るのが恐くなったとも知らせてくれた。叔母は一人暮らし。近親者はオレしかいない。
人間らしく生きるという前提で捉えると、高校野球にしても叔母に対してもオレはやはり器の小さい人間。

★5月22日
8時半ジャストにデイサービス・ゆう倶楽部長浜からのお迎えが来て、和ちゃんは今日も元気で出発していった。オレがいつも和ちゃんに感心するのは、
「おはようございます」
「スミマセン」
等々、ちゃんと挨拶ができることだ。もちろん、キッチリ頭も下げる。けっこう可愛いお婆ちゃんなのかもしれない。
そういえば、昨夕もパンツにウンコが付いてると言って困った顔をしていた。付着していたのは少しだけで、固まっていたので朝に出した名残なのだけれど、申し訳なさそうにオレに報告する。直ぐに手荒いして洗濯機に放り込んでおいたけれど、羞恥心はまだまだ残っている。
今朝も一本、スコブルいいのを放出したとのこと。オレは和ちゃんにお願いした。
「和ちゃん。ウンコしたあと、いままでより一回多めに拭いてくれる?」
「OK!!」
和ちゃんが今日履いているパンツは、後の部分に穴が空いている。昨夕、めんどくさいので側にあったモノを履かせたのだけれど、気ずいてないのかな?

★5月23日
午前7時45分。デイサービス・和みのときからのお迎えは9時過ぎだから、朝の準備がゆっくりできるためその間に書いている。
今、和ちゃんは髪をとく櫛を探している。これは毎朝のことで、和ちゃんが何処かえしまったのだけれど、その場所を忘れてしまっている。オレが探せば出てくるとは思うけど、当分は手櫛で頑張ってもらおう。
さて昨日、デイサービス・ゆう倶楽部長浜の連絡帳には、
「午後は加奈ちゃんと遊んでくれました」
とあった。加奈ちゃんというのは、ゆう倶楽部の職員のお子さんで1歳を超えたのかな? で、オレは和ちゃんに聞いてみた。
「今日、めずらしい人が来た? 遊んだんじゃろ?」
「そうなんよ。加奈ちゃんが来て、私にまぶりついてきたんよ。せえでも言葉を覚えとるからなあ! 『おばあちゃん』ゆうて呼ぶんよ」
加奈ちゃんが来たのは久しぶり。しかし、加奈ちゃんのことは覚えており名前までも覚えている。愛子様がテレビに映ると、一生懸命に手を振り喜ぶ。全く、記憶を泥棒されているわけではないようだ。
そうそう。昨日ゆう倶楽部から帰宅し、ズボンを着替えさせていると破れたパンツの穴を透けてなにかが挟まっているのを確認。なんとトイレットペーパーをアンネナプキンのように挟んでいる。
「どしたんなら、これ?」
「ウンコがパンツに付いたら困ると思うてなあ」
和ちゃんは和ちゃんなりに頑張っているようだ。

★5月24日
今朝も3個の小型爆弾を放ってデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと出発していった。和ちゃんの自己申告なのでウンコの大きさはキッチリ把握できないのだけれど、消化器系統の調子はスコブル良さそうだ。しかし、和ちゃんが階段から落ち、ポータブルを借りてしていたときには9日間も出なかったのだけど、腸というのはかなり柔軟性があるのだろうか?
で今朝、お迎えが少し遅くなるという電話があったので、デジカメで和ちゃんを撮った。頭に巻いているのは、ズボンがずり落ちないために常時している自家製ゴムバンド。なにをしてても可笑しいらしく良く笑う。これでいい。もっとも和ちゃんは、こんな形で大勢の人に見られているとは想像すらしていないのだけれどネッ。
さて昨日、高校時代の野球部友達から電話があった。オレの近況を心配してくれてのものだった。オレと飲もうにも飲めないのでオレの家に来るとのこと。もちろん昼間。和ちゃんがデイサービスに行く日を教えて、行っている日に来るように伝えた。6月末に出版する“背番号13青春録”の中では“男気のギッチャン”として登場している。まあ、同級生だけどオレの兄貴分のようなギッチャン。本当はヨッチャンなのだけど。
ところで、和ちゃんのお腹はプックリと出ている。下腹部分が特に。オレは和ちゃんに質問してみた。
「和ちゃん。そのお腹にヒョッとして赤ちゃんでもおるんじゃねんか?」
「アホウばあ言われな? なんで赤ちゃんやこうがおるん。そんなことやこうするもんか」
「『するもんか』言うて、どうしたら赤ちゃんができるか知っとんか?」
「そんなこと、恥ずかしゅうて言えるわけがねえがホンマ!!」
アルツハイマーというのは、どうも奥が深そうだ。

★5月25日
昨夜、和ちゃんの夢を見た。たぶん、40歳頃の和ちゃんだったと思う。夢で出会ったので記憶が薄いのだけれど、シッカリ凛としていた。あの頃の和ちゃんは、優しかったけれど恐かった。凛とした和ちゃんには、もう夢の中でしか会えない。もっとも、会おうとして会えるものではないけれど。76歳の和ちゃんは今、手鏡を前に自分の顔と睨めっこしている。シワがどうのこうの? とブツブツ言いながら。
さて昨日、知人の医師にメールを飛ばした。在宅介護に熱心な医師で、オレに面白い勉強会があるから来てみないかという誘いを受けていた。ただ時間が夜なので、いろいろ考慮したのだけれど断りのメールを飛ばしたわけだ。
和ちゃん同伴でもいいんだけれど、オレが疲れるし、和ちゃんも眠くなるだろう。他の参加者に迷惑も掛けるだろうし?
で、その医師からの返信に興味深いことが記されており、それをコピーする。

在宅介護 ご苦労様。
介護保険になり益々、在宅医療も在宅介護も負担が多くやりにくくなりました。
病院から施設の流れが、最近は病院から民間のグループホームや施設に入所する動きが多くなりました。
施設の理事長が医師とか、以前から医療と連携のある人は良いのですが、素性のしれない民活?企業?会社?意識で参入した人が理事長の時はワンマンで、介護職の方を自分の思うように(利益の上がるように)動かしますから職員はやめるか、スポイルされるか、変になるか、どれかです。(かわいそう)


オレが知る限り、“流れ介護人”(失礼)は多い。一箇所にとどまって介護職を持続している人はそう多くはない。

★5月26日
今、一番熱いWeb上の介護日記・記録は『Tomyの介護記録』だと確信する。面白くリアルで、オレは毎日覗く。オレも日記内にリンクを張らせてもらい、メール交換も時々やる。そのTomyさんの23日金曜日からの日記一部を抜粋したい。

その後も色々話し、センター長さんから見てお勧めのショート先を紹介してもらうことになった。センター長曰く「残念ながら現在の体制では、人手不足もあって、ショートは患者さんのための物ではありません。介護者が疲れた時や、用事があった場合のやむを得ない時に活用する物だと考えてください。患者さんにとっては、環境の変化で負担になります。」とのこと。やっぱりそうなんだなぁ・・。どっちにしろショートは試しに1泊2日で利用することにしよう。


●ショートは患者さんのための物ではありません。介護者が疲れた時や、用事があった場合のやむを得ない時に活用する物だと考えてください。患者さんにとっては、環境の変化で負担になります。●
ウーンと唸った。オレは過去、色々多方面で聞いてきたけど、特に痴呆の場合、ショートステイに預けて、預けた時点と比較して良くなって帰宅した話を聞いたことがない。痴呆で良くなることを期待すのは無理があるので現状維持でいいわけだけれど、これもほとんど聞かない。
「ビックリしたが!! ショートステイに預けて迎えにいったら別人。廃人みたいになってしもうて。たった二日間なのに?」
こんな話なら数え切れないほど聞いてきた。もっとも、ショートステイに痴呆家族を預けるには無理を承知という部分もある。痴呆にも多様な形があるだろうし、初対面で介護職員も利用者を把握できるわけもない。介護職員から積極的アプローチは不可能に近いはず。
で、なんでこんなことを記しているかといえば、オレもショートステイの見学を考え計画しているからだ。少し前、和ちゃん担当のケアマネジャー・長谷川さんから、お試しもあり、ということも聞いた。しかし、オレはお試しなどはしない。お試しをやって、和ちゃんが混乱したらオレが困る。長谷川さんが善意で声を掛けてくれたことは理解も納得もしており、長谷川さんにチャチャを入れているわけではない。
ただ、ショートステイを使用するとすれば、即本番だ。オレが限界とか、冠婚葬祭などで不義理ができないときに使用することになるはずだ。基本的には使用したくないのだけれど。
だけどだけど、GOODなショートステイを認知し、そこの職員と顔つなぎしておくことは在宅介護者として義務であり責任でもあるはずだ。オレのためにも和ちゃんのためにも。
問題だらけなら、介護保険課に直訴。
とにかく、少し動いてみよう。