序章3 1.23〜2.18
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★1月23日
これは22日の昼飯を食っての午後12時過ぎに書いている。和ちゃんは今朝も元気イッパイでデイサービス・さっちゃん家に出陣。朝食後、ウンコの申告あるも出ず。確かにドカーンと放出しそうな気配はあるのだけれど、たぶん明日だろう。とにかく太すぎるのだ。肛門の奥にウンコの先が見えてるし。敵便はオレにはできないし。月曜の朝も出なかったらデイサービス・和みのときで穴を掘ってもらおうと思案中。
さて、和ちゃんは自分のことが本になったり新聞で連載されていることを知らない。報告はしてるのだけれど、瞬時に忘却の彼方。中国新聞の連載は今年3月末で終了するけれど、ある地方紙で連載の内定のようなものは頂いている。確定ではないけれど、たぶん大丈夫というお言葉はもらっている。これが、春を少し過ぎたころからになると思う。もちろん和ちゃんを書くことになる。
で、メールなどで、
「お母さんにヨロシク」
「和ちゃんお元気で」
等々の声を頂戴するけれど、和ちゃんにおかれましては世間の流れは無関係。だから、伝えない。その辺りを、これを読んでいただいている皆さま、ご考慮お願いいたします。和ちゃんはマイペースを維持。
しかし、かったるい。和ちゃんのオシッコに昨夜は3回起こされたから。そしてオレは和ちゃんの掛け布団を被ってこれから寝る。和ちゃんの香りに包まれて。少しオシッコ臭い。オレのお母さんの香りだ。

★1月24日
昨日で禁酒して一ヶ月が経過した。特別、アルコールが欲しいとも思わないし、このまま継続する予定。
で、昨夕、夕食を済ませた少し後、和ちゃんがウンコを放出。朝、出なかったので心配していたのだけれど、まあ予測は的中した。ただ、あまりに太かった。和ちゃんの肛門がメリメリと裂け、悲鳴を上げているかのようでもあった。
そしてフキフキ。紙いらずの素晴らしいウンコだったのだけれど、やはり、ペーパーに見えるか見えないかのようなピンクの出血があった。初めてのことだけれど、あれだけ極太を出すと肛門も忍耐できないのだろう。とても大腸ガンを疑うようなウンコではない。基本的に、大腸ガンでは便が細くなるとのことだから。
昨日一日はいろいろあった。泣いたり、叫んだり、笑ったり。でも、最後の特大ウンコで全てが帳消し。
和ちゃん。よそではお目にかかれないようなウンコを間近で見せてくれて、ありがとう。
さて、今朝、早朝5時に勃発した肉弾戦をキッパリ忘れている和ちゃんが、なにを思ったか? デイサービス・和みのときに出陣する前に一言。
「あんたご飯は?」
「コープで弁当こうて食べるで」
「可哀相になあ!」
泣きながらオレを哀れんでくれた。

★1月25日
現在時は24日の午後8時10分。和ちゃんは今さっき布団に入った。最近の眠りは深い。少し以前、一晩中、眠らない夜がときどきあったけれど最近はなくなった。デイサービスへ通う日が週5日から6日になったせいかもしれない。疲れているのだろう。日曜日の夜も爆睡するし。
さて、和ちゃんは今朝、9時15分のオシッコを最後にデイサービス・和みのときに出陣した。和みのお迎えはいつも9時半。和みでオシッコは出ず、帰宅は5時10分。直ぐにオシッコに向かうも出ず。その後、何回か誘導を試みるも出ず。結局、午後7時45分にジャージャーと出た。しかし、朝からこの時間まで10時間半。オレはいつ漏れるかヒヤヒヤとイライラで神経戦。本当に疲れる。
去年の年末より、オシッコ帳にオシッコの出た時間を毎回記している。それを捲ると、4日に10時間出なかったことが判明。今年になってデイサービスでは一度もオシッコはでていない。だからといって腎臓に障害があるとも思えない。浮腫はないし、家では頻繁に出るのだから。今晩はどうなるか? これも一種のスリラーか?

★1月26日
ただ今、25日の午後7時半。
今朝、デイサービス・さっちゃん家からお迎えの玉置さんに、
「お母さんの若い頃の写真、ありませんか?」
との質問を受ける。もちろん、あるので渡す。なにやら、“この人は誰でしょう?”ゲームのようなことをするらしい? 若い頃と今を比較して、その若き日の写真の人物が誰だか当てる。ハッキリ聞いてないのだけれど。でも、いろんな事案を考えてくれている。その姿勢に敬礼。
で、和ちゃん。やはり今日も、さっちゃん家でオシッコは出ず。まあ、いいのだけれど、どんな膀胱の奥深さのだろう? オレはこの年齢で頻尿気味だから一日の排尿回数は多い。尿の量が多いわけではない。放尿後、チンチン振ってもチローとパンツに染みることもあったりで....キャー!! ある意味、和ちゃんが羨ましい。だけど、和ちゃんは放尿しっぱなしで拭かないから、やはりチローだな。
なにはともあれ、和ちゃんのことで日記に記すような出来事はない。ヤレヤレ。

★1月27日
26日午後7時半。15分前に和ちゃんはオシッコを放ち、今、寝床に潜った。まだ眠りには突入してないようだけれど、もうじき眠るだろう。
オレは今日、一日、家にいた。買い物には出たけれど、家にこもっていた。目覚めはよかったのだけど、なんだか疲れていたから。で、HPの内容を少し変更したりして過ごした。
午後4時過ぎ。デイサービス・さっちゃん家からの送りの車が停まる音。出迎えに出ると、さっちゃん家の山下さんがニコッと笑い、
「今日はええことがありました。オシッコが出ました」
今年、デイサービスで初めて放出。素晴らしい。でも、今朝は6時45分に出したのが最後だったから、もしかして? の予感はあった。とはいえ、目出度しメデタシ。この放出を喜んでくれる職員皆さまに感謝。
さて、27日は中国新聞から取材に来る。そしてケアマネジャーの長谷川さんが訪問調査に。朝日新聞朝刊の一面下段に“アルツハイマーのお袋との800日”の広告も掲載される。これは東京方面。関西方面は30日か31日とか。
和ちゃんも忙しい。

★1月28日
27日午後7時40分。和ちゃんは先ほどオシッコを済ませ、今は早々に猛睡モード。いろいろとお疲れに違いない。
デイサービス・さっちゃん家では午前中から不穏だったらしく、帰宅時、お迎えに出たときもなにやら半泣き状態。オレにブツブツと食ってかかる。今朝、ウンコ大型爆弾を落としたにもかかわらず。でも今朝は冷えた。ウンコ放出に費やす時間が15分。和ちゃんもシンドイけれど、オレも後方から檄を飛ばしたり上手を言ったりでシンドイ。
帰宅後は中国新聞女性記者からの写真攻勢。
「カメラ慣れされてますか?」
との声。ハイ。和ちゃんはカメラ慣れしています。素敵なツーショット写真が掲載されるだろう。今はデジカメ時代。どんな写真が掲載対象か直ぐにその場で分かる。
ケアマネジャーの長谷川さんも訪問調査に来る。女性記者と長谷川さんの時間帯がダブり、和ちゃんも大忙し。半泣き状態だった十数分前は、もう忘却の彼方。簡単リセットはお手の物。
また、和ちゃんとの思い出が増えた。


二人の訪問で大忙し


★1月29日
28日。和ちゃんの若き日の写真をHPにアップした。♪♪日記♪♪の下の“Photo 和ちゃんは生きてきた”をクリック。新たな8枚をアップしている最中、少し泣けてきた。元気で、はち切れそうで、そして美しい和子さんがいる。オレを生む前の和ちゃんは、なかなかイケテル。
あの若き日に、戻せるものなら戻してやりたい。オレの腐った生命と交換でかなうなら、と黙考するオレ自身にビックリ!! 和ちゃんには、あまりに多くの親不孝をしすぎたもんな。

★1月30日
29日午後7時50分。和ちゃんは10分前にオシッコを出し、今は布団の中。まだ眠ってはいない。
デイサービス・さっちゃん家で、少々のウンコ漏れがあったの報告。風呂に入り着替えをしたあとだったとのことで、和ちゃんは紙オムツで帰宅。オムツを早々に脱がせパンツを履かせる。ズボン下もズボンも臭いので洗濯機の中へ。パンツはキレイに下洗いしていてくれた。ホンマ!! 助かります。
いつも思うことだけれど、和ちゃんの周りの介護職員方々は良くしてくれる。その職員方々の中で今回、介護福祉士の試験を受けた女性がいる。介護職の現場で3年以上の勤務だから受験資格がある。でも、落ちたと聞かされた。とても残念がっていた。オレもスコブル残念に思う。口ばかり達者で、ふんぞり返っているベテラン介護職のなんと多いことか。資格に胡座をかいているのだ。
オレは以前から声にしているのだけれど、フリーライターのように実績勝負でいいんじゃないの? オレなんか身分を証明するモノ一切ありません。健康保険証はあるけれど、これも今では身分の証にはならなくなってきている。
痴呆の介護に、そんな特別なモノがいるのだろうか? 必要なモノといえば“優しさ”が一番じゃないのかなあ? “?”はいらなかった。“優しさ”と確信する。
介護という世界と付きあい始めて、なんだかいつも、この世界は曖昧模糊。そして魑魅魍魎の世界のように思えてしかたない。
オオッ!! 和ちゃんの寝息が聞こえてきた。
今日。講演依頼が一つ。

★1月30日
これはリアルタイム。30日の午後5時過ぎ。
今日一日、日曜日だから和ちゃんと一緒。相も変わらず、怒り、泣き、笑いを繰り返した一日だった。
ただ、オレは和ちゃんが無性に愛おしくなり、背後から抱きつき首筋にオレの頬を擦りつけた。和ちゃんはキャー!! とか嫌がっていたけれど、ホンワカと母の香りがしたような気がした。

★1月31日
今朝早朝の5時。和ちゃんが胸の痛みを訴える。一週間前、炬燵机の角へ転げてぶつけた所だ。意味不明ではあったけれど、死ぬほど痛いらしく、8時前にタクシーで協立病院へ。タクシーの中でほとんど痛みは消えたらしかった。でも行かないと。
レントゲンを撮って異常なし。サロンパスでOKとのこと。和ちゃんは明確な痛みを伝えられないからオレも判断に困る。とりあえず良し。しかし、疲れた。この一連の流れは写真に撮ってあるので、しばらくしてアップ。でえれえ疲れたでホンマ!!。

★2月1日
今朝、和ちゃんはデイサービス・さっちゃん家へ元気イッパイで出陣。オレは見送り、風呂場でシッカリケツの穴を洗った。
というのも、午前8時35分頃。オレはクソをしていた。突然、和ちゃんがパンツ一枚と裸足でトイレを覗いている。
「どしたんなら?」
意味不明の応え。
「ウンコか?」
「うん」
アチャー!! 午前8時の気温は屋外で−0.8度。和ちゃんが風邪を引いてしまう。オレはクソを拭く間もなく和ちゃんのウンコの後方支援。ケツの穴付近がヌルヌルしている。和ちゃんはそれでも大型爆弾をスコーンと放ち紙いらずの絶好調。早々に部屋に戻し服を着せる。そうこうしていると、さっちゃん家の三木さんがお迎えに。オレのケツから美味な香りが漂っていたに違いない。
ああ!! これからオレのパンツを手洗いしないといけない。

和ちゃんの写真をTOPの再下段にアップ

★2月2日
1日の午後7時半。和ちゃんは床に入った。今朝のウンコ騒動でオレは疲れた。外は冷蔵庫同様だったし、今も寒い。早く寝よう。
そうそう。オレの“アルツハイマーのお袋との800日”を担当医の林先生へ、ケアマネジャーの長谷川さんから渡してもらっておいた。すると今日、スコブル真摯な直筆での封書の手紙が届いていた。やはり、この先生は、優しい思いやりのある人だ。
それと、長谷川さんの上司である星さんとも電話で久しぶりに話した。オレがチョッピリ、問題提起を投げつけたのが発端だったのだけれど、互いの誤解が解けて良かったヨカッタ。この星さんという介護職人もなかなかの人物だからなあ!! 岡山では? デイサービス・さっちゃん家の三木さんと双璧だもんなあ。
そして現在時は2日の午前9時半。和ちゃんは元気でデイサービス・さっちゃん家へ。今朝は軍歌を聴きながら泣き続けていた。まあ、それはそれで良い。なんとか今冬一番の寒波は乗り切れたみたいだし。
それでは、これからのんびりクソします。

★2月3日
2日の午後7時過ぎ。和ちゃんは7時にオシッコを出し布団の中へ。
少し時間は遡り、夕飯時、和ちゃんが吠えた。
「寒いもんばあじゃ」
冷えたモノばかり、ということだが、コープで買ってきた総菜といなり寿司。それにリンゴジュースが和ちゃんの夕飯。本当は、ご飯をレンジでチンすれば良いのだけれど、レンジを使用するとブレーカーが落ちるという悲惨な生活。それで、和ちゃんもオレも冷や飯を食っているのだけれど、まあ、和ちゃんの怒りもごもっとも。でも仕方ない。貧民だから。もっとも、リンゴジュースが美味しいと言って、普段は飲むのだけれど。
でもなあ! オレは思う。和ちゃんぐらいの年齢だと、デイサービスの昼食を一回シッカリ食べておけば大丈夫。現に、和ちゃんがアルツハイマーと診断されて以降、風邪を引かせてないから。貧血もなく、消化器系統も絶好調。オレより、頭以外は健康なご様子。
オレだって、温かいメシが食いたいでホンマ!!
「野田さん、好きよ」
なんていうのも、心がホットになってとってもヨロシイなあ。
考えない、かんがえない、カンガエナイ。期待は孤独を一層深くする。オオッ!! 哲学してるオレ。

★2月4日
今、この日記は3日の午後2時5分に記している。風呂から上がったばかり。4日間入ってなかった。この前の日曜は和ちゃんと一日一緒だからアウト。その後の3日間は寒波到来で、外気をモロに受けやすい風呂には入れずじまい。やっと今日入れた。しかし、風呂上がりに身体を拭くと出るでる垢が。だからソフトにフキフキしてお終い。
で、今日こんな時間に書いているのには理由がある。今日、図書館で起きたことを忘れないうちに記しておきたかったから。
今、オレはMISIAのCDをBGMにパソコンに向かっている。でも、このCDは今日、図書館に返却しにいったモノ。返却したあと、係の職員からオレの名字が呼ばれた。ケースの中にCDが入っていないのだ。アチャー!! カセットデッキの中だ。
それから下の階に下り本を借りた。借りたあともウロウロしていると、またオレを呼ぶ声。アチャー!! 図書館のカードも入れているカード入れを検索機の側に置き忘れていたとのこと。オレはこの二度のアチャー!! に瞬時、恐怖を覚えた。ヤバイ!! オレも若年性か? ついこの前も、バス車中でバスカードを落としたばかり。いったい、なんなんでしょう、これは? アルツハイマーの遺伝子は強力らしいと聞いている。
でもなあ、後期アルツハイマーのお袋を、入り口辺りのアルツハイマーの息子が介護しているなどということが起こったら世界的に注目されるだろうなあ!? 世界的ベストセラーが書けるかも?
もとい。ヤッパ、それは困る。オレは、誰も介護してくれないのだから。
老婆心ですが、
「野田さん。それはちょっとヤバイんじゃないの? 脳のMRIでも撮ってもらったら」
などという、善意からのメールであってもご遠慮ください。

★2月5日
この日記も中断もしくは小休止しよう、と思いながら連日のアップが続いている。でも、近々には小休止しようと思う。やはりシンドイ。それと、義務のようにもなっているのが嫌イヤなのよネッ、と。
さて現在時、4日の午後1時7分。昨日同様に風呂上がり。まだ、垢は出続けてまっせ。本当は今日、ある人に会いに行く予定だったのだけれど、和ちゃんが昨夜、二度オシッコの空打ち申告。それに二度の放出オシッコがあったからオレは完璧に眠れなかった。和ちゃんは、空打ちしてオレに叱られながらも布団に入ると即効で別世界へ。だから元気はいい。
で、今朝、和ちゃんは素晴らしくクリアだった。和ちゃんがオレにブツブツ言っていた。オレはめんどくさいので、
「ここが気に入らんのなら出ていけー」
するとビックリ仰天。
「言うとおもうた、そのシリフ」
シリフは台詞なのだけれど、会話になっている。セリフがシリフでもナイス和ちゃん。その少し後、和ちゃんがウロウロしだしたので、
「ウロウロするなアホウ!! ワシは疲れとんじゃ」
すると、
「ウンコでも?」
これも素晴らしい。トイレに入ってパンツを脱い瞬時、ドカーンと一発。出している最中にオレの携帯が着信音。デイサービス・和みのときの北の迫さんから。風邪を引いてお迎えに来られないとの報告。だから、和ちゃんは今日、デイサービス・さっちゃん家に。こういう時、二つ通っていると融通が利く。
2月16日。蜂谷師匠ご母堂さまのご依頼で、岡山国際ホテルで講演。

★2月6日
今日も風呂上がりに書いている。もちろんBGMはMISIA。ギャラリーグロスのトッツアンも知っているというのでオオッ!! 唸ったらロシア人だと言う。まあ、オレと同世代だから仕方ないな。
さてと、和ちゃんが帰宅するまであと1時間。明日は長い一日だ。
でも、なんだか和ちゃんの調子が良い。朝、
「オシッコに行こう」
と和ちゃんが言った。
「ワシも一緒に行くで」
すると、トイレを指さして、
「あそこじゃからええよ」
異常事態だ。もちろん、付き添いはしたけれど、なかなかいい。そして、元気にデイサービス・さっちゃん家へ向かった。デイサービスの職員皆が言うのだけれど、和ちゃんはドライブが好きなようだ。確かに、病院などへタクシーを利用しても、外の景色を興味深く観ている。オレは、免許を持ってないことを初めて後悔した。

★2月7日
6日の朝食後、和ちゃんがウンコを自己申告。デカイ。あまりにデカク長い。そして結局、和ちゃんの肛門サイドがメリメリ。ウンコはトイレットペーパーに付着しない紙いらず。しかし、切れた肛門から少々の出血。ペーパーにピンク色の染みが。
とはいえ、二人して大笑いしながらの巨大ウンコ放出オペレーションだった。

★2月8日
1月7日にデイサービス・和みのときで失禁してから一ヶ月が経過した。あれ以後、それらしき兆候も全くない。一過性のものだったと信じたいけれど、この周期が段々に短くなるのだろうな? と予感せざるえない。老婆心であり杞憂であれば良いのだけれど。
これは7日の朝、午前9時40分に記している。北の迫さんの風邪もほぼ完治し、今朝、迎えに来てくれた。和ちゃんはデイサービス・和みのときへ元気に出陣。オレはといえば逆に、昨日一日、和ちゃんへの気配りでヘトヘト。まあ、最近なんだかクリアなので以前ほどではないけれど。
ではこれから、いざ岡山へ。
岡山から帰宅。8日の中国新聞にオレと和ちゃんの本の紹介が掲載されると連載担当者から連絡あり。ツーショット写真が掲載されるかな?

★2月9日
なんだか今日は、いろいろあったなあ!! ということで、現在時は8日の午後7時20分。和ちゃんは布団の中へ。今さっき、順調にオシッコを放出。
さて、今朝、デイサービス・さっちゃん家へ出陣する直前に和ちゃんが後方へ倒れた。万年床だから足下はシッカリしていない。ホンワカしているから体勢を維持しづらいのだ。背中・左脇腹辺りから落ちていき、椅子に打ちつけた。オレにはスローモーションのように見えたけれど、この万年床もなんとかしないとバリアフリーを逆行していることになる。夕方は、左前腹付近が痛いと訴えていたけれど、どうなんだろう? 少し様子を見るしかない。
で、今日は中国新聞にオレと和ちゃんのツーショットが掲載された。新刊の紹介もありスコブルでかく紙面を割いてくれた。その右側には、オレの連載。紙面の上半分の三分の二はオレ関係。ドヒャー!! この記事は近々にアップ。グロスのトッツァンがスキャナーでスキャンしてくれる。
読売新聞の野間裕子さんからも電話があった。今は編集委員をされているのだが、オレの本をコラムで取り上げてくれるとのこと。オレが初めて上梓した“男が、病院で介護するということ”でお会いしたことがあり老人介護関係には詳しい人だ。ミネルヴァから“親が倒れた―在宅介護の現場から”の著書もある。
そして和ちゃんが帰宅。さっちゃん家でオシッコに間に合わずお漏らししたとのこと。オレは全然叱らない。なんだか可哀相でオレまで泣けそうになった。今、部屋は洗濯物で覆われている。

★2月10日
9日の午後2時前。風呂上がり。
和ちゃん。今日は、デイサービス・さっちゃん家へ出陣時のズボンでちゃんと帰宅してくれるかなあ?
で、やはり、痛いと訴える。ただ、痛いところがアチコチ変わり判断つかない。そして良く観察していると、左脇腹と肋骨の下部が交差するあたりだと分かった。言葉は信じられないけれど、和ちゃんはその部分を押さえていたから。また病院へ連れていかないといけないのか?
でもなあ、痛かったら、あれだけ爆睡できないはずなんだけれど?

★2月11日
しかし、これだけ四方八方に風邪引きさんがいるとなると、オレも和ちゃんも体調管理が厳しいなあ!?
明日は広島の中国新聞社で講演。3連休の中日にもかかわらず、定員100名に160名の応募があったらしい。行かねばならない。
でと、昨夜、和ちゃんを後から抱え起きあがらせようとしたら、胸筋もしくは胸骨に痛みが走りだした。やはり、正しい介護技術取得が必要かもしれないか、な?
そしてそして、今朝、和ちゃんが失禁。失禁の範疇に入るのか疑問だけれど、オレが歯磨きしている間に漏らしていた。オレとの距離は3メートル。でも、襖を閉めていたから。オレが側にいれば大丈夫だったと確信するけど、オレが歯磨きから戻ると一生懸命にジャンパーのジッパーをいじっている。和ちゃんはジッパーを上手く着脱できない。こういうソワソワにはなんかある。聞けば、濡れてる、とハッキリ言った。お尻を触ると濡れている。
ただ、過去の経験から、全てを出し切っていないはず。そのままトイレに誘導するとジョジョジョジョー。着替えさせて洗濯機へ。
デイサービス・さっちゃん家の玉置さんがお迎えにきたとき、それを報告。聞いてる和ちゃんは少し怒っていた。まだ羞恥心が残存している。良し。今日はバッグに算盤を入れた。学校で必要だそうだ。

★2月12日
昨夜は和ちゃん、オシッコを見事に自己申告。なかなか難しい時期にいるのかもしれない。そして今朝、元気にデイサービス・さっちゃん家に出陣。今日は8時まで学校にいることを了解してもらったが、瞬時に忘れている。まあ、オレの自己満足だ。
さてと、広島に向かって出陣しますか。
2月12日。少し冷えはするけれど、風なく快晴。

★2月13日
和ちゃんが、いよいよ失禁モードに突入した模様?
防衛体制再構築のため、当分の間、日記を休止せざるえないかもしれない?
日記どころではなく、オレ次第で和ちゃんの笑顔が消えてしまうから。
とにかく、身体がシンドイ。
今日は3食、パンで済ませてしまった。情けない。

★2月14日
やはり和ちゃんは失禁するようになった。気がついても間に合わないのだ。なんとかオレも踏ん張って昨日から昨夜にかけて洗濯機を3回まわしたりもしたけれど限界。とうとう和ちゃんに紙オムツパンツを履かせることにした。もちろん尿採りパッドを組み合わせて。今朝、お迎えにきてくれたデイサービス・和みのときの北の迫さんにも伝えた。北の迫さんには、紙オムツパンツと尿採りパッドを買ってきてもらうことにも承諾してもらい、彼女の思いやりには心から感謝したい。
で、今、やっと和ちゃんを送り出し、MISIAのBGMでコーヒーを飲みながらパソコンに向かっている。本当は身体がスコブルスコブルしんどいのだけれど、なんとしても2月14日明け方の事件は記しておきたいから踏ん張っている。いつか実行しなければならないオレ自身への戒めとミソギのために。
オレは切なかったけれど、和ちゃんに紙オムツを使用することにした。和ちゃんは嫌がらない。オレの気持ちの切り替えしだいだから。ただ、なんとかオシッコの感覚を取り戻してもらいたいと願っている。
で、オムツに切り替えるための最後の交換時、和ちゃんはどこからか? ドングリのような固まりを落とした。カチカチ。オレは手に取ってそれを割った。そしたらプーン。ウンコだった。オナラが出ていたのでウンコが近いとは想像していたけれど、これにはビックリ。オレは大笑いした。これはこれで良かった。
そして今朝、オシッコに誘導すると同じドングリがもう紙オムツに付いている。硬いので塊のまま。オムツを下ろした途端、過去に例がない、とんでもない巨大なウンコがヌルヌルと出始めた。とにかく超ビッグだった。オレは考えた。このウンコが膀胱などを圧迫していたのでは? と。北の迫さんも、その可能性はある、との指摘。彼女は以前、訪問看護センターのセンター長をしていた。
その後、ウンコつき紙オムツを替えるため着替えさそうとしたのだけれど、和ちゃんが臭う。手を嗅ぐとウンコを触っている。急いで手を洗わせて、と移動しようとしたら和ちゃんがその手でアチコチ触る。オレはハンカチで手を縛った。洗面所で解き、手を洗わせたのだけれど、これがなかなか上手く言うことを聞いてくれない。ここで思い切り怒鳴り上げた。
オレの布団の上で着替えを再開。チンタラしているのでシャツとネックとトレーナーを引き上げたら、和ちゃんが怒ってオレの右手首を力一杯に爪を立てた。オレは切れた。手はもう上げない、と誓っていたけれど、オレは和ちゃんに足払い。和ちゃんの身体が浮き宙を舞った。落ちた。途端、オシッコがオレの布団に少し漏れた。和ちゃんはスッポンポン。それでも、暖房の効いてないトイレへ連れていき排尿させた。寒かったと思う。
こんな出来事があった。でも、和ちゃんはデイサービスに出陣時、もう記憶にない。オレの心の中の自己嫌悪としてだけ刻まれているのだ。
ハーーーア!! キツイ。
オレは今朝、汗をかいて2度シャツを替えた。ホンマにキツイ!!

★2月15日
現在時は14日の午後8時過ぎ。和ちゃんと今まで遊んでいた。
午後5時過ぎ、和ちゃんが元気に帰宅した。デイサービスでは特別、変わった様子はなかったとのこと。失禁はなく、やはりオシッコは出なかったとの報告。家に入り直ぐトイレへ。シッカリと出た。夜は不安だけれど、もう紙オムツの中だし、それはそれでいい。それ以上は望まない。
そして、北の迫さんに感謝。紙オムツと尿採りパッドを比較的安価なところで購入してきてくれた。だけど、この出費はこれから段々に増える。痛い。でも、和ちゃんの笑顔を保つために不可欠。
和ちゃんとキャッチボールをした。あまりに愛おしくなり、オレは和ちゃんの口にキスをした。舌はからめなかったけどブチューと決めた。和ちゃんが、キャッキャ、と喜んだ。素敵な一日の終わり。こんな日が続けばオレも嬉しい。オレは、なんだか複雑な心境で涙が。最近、オレは泣くことが増えた。

★2月16日
15日の午後7時半現在。10分前、和ちゃんはオシッコを出し睡眠へ。明日、蜂谷師匠ご母堂さまご依頼の講演があるので一日パスしようと思ったけれど、書く必要に迫られ書いている。
というのも、和ちゃんはオムツを外してデイサービス・さっちゃん家から帰宅した。そうだった。さっちゃん家では、出来る限り、オムツを外すよう心掛けていることを思い出した。オレの、安心感だけのために履かせた紙オムツだったのは事実。確かに、昨日のデイサービス・和みのときでの生活から失禁はない。今も外している。もっとも、尿採りパッドは装着しているけれど、これが上手くカパッとお尻にフィットしていてくれると漏れる心配はない。それについては先ほど確認済み。まあ、なるようになるか....
でも、オレはオムツでも良しと覚悟は決めた。
和ちゃんの介護は貫きたい。介護、しまくりっぱなしでも良し、と、まだ覚悟は決まらないけれど、踏ん張りたい。
そして今日、要介護4の認定が出た。3から4へ。現行制度下、痴呆だけでアップするとは驚いている。3が限界と決めつけていたから。
疲れている。オレも眠ろう。

★2月17日
16日の午後8時。和ちゃんは眠っている。今日は穏やかにデイサービス・さっちゃん家で過ごしていたとの報告。あれ以降、失禁はない。
オレはといえば、岡山国際ホテルでゾンダクラブのご婦人約20名の前で講演。ゾンダクラブは、簡単に理解するならロータリークラブの女性版と思えば、ということらしいのだけれど、しかし、そういうご婦人を前にオレは過去の講演ではないほど緊張しまくり。
オレは“庶民”にも届かない“貧民”だからなあ!!

★2月18日

野田明宏
生誕の日
49歳


ps
2月いっぱい、更新を中断します。



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